精も根もつき果てて投げやりにボールをセットする東条さん。このホールも相変わらず池の
オンパレードだ。もういいかげんうんざりだ。
しかも池の横には、
池に入ったボールを
すぐ拾おうと50m走
のスタートのように
待ちかまえるガキた
ちがいる
「おまえらなぁ、俺が池にボールを打ち込むみたいやないか。」--まあ、そうだけど……。
池が!池が!津波になって襲ってくる!!もう頭の中はトイレに座ったらビル中が火事に包まれたようなもの。<ヘッドアップだ、
右肘の使い方だ、
スタンスだといったゴルフ用語は全て消えていた。ただ、止まってる白いボールを
力の限りぶったたくのみだ。
でも、かまえた方向が違うからボールはキャディの頭越しにが飛んでいく。
「ばかやろう!!」
誰に対して言ってるか分からないがその声が15番ホールにこだました。
「ばかやろう!!」
「ばかやろう!!」
「
ばかやろう!!」
池に向かって直角に飛び 出したボールは、キャデ イの頭上を越え、その
まま池を巻いていった。
祈るように手をあわせる
キャディとポカンと口を
開ける東条さん。キャデ
イは「もう家へ帰りたい
よう」と祈ってた
ボールの行方はどうあ
れ、長かったこの物語
はとりあえずここで終
わります。東条さんキ
ヤディさん、おつかれ
さまでした。
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